引っ越し先で洗濯機を設置しようとしたら、「排水エルボがありません」と言われることがあります。小さな部品なので、すぐに買えば解決しそうに見えるかもしれません。
しかし、賃貸では部屋の備品として扱われる場合があり、排水口の形によっては一般的なエルボを使わないこともあります。
賃貸で洗濯機の排水エルボがないときは、すぐに購入せず、排水口の写真を撮って管理会社や大家さんへ確認するのが先です。
自分で用意してよいと分かってから、排水口の形、接続部分、対応サイズを確認しましょう。
排水エルボがない賃貸では、自分で買う前に管理会社へ確認する
賃貸で排水エルボが見当たらないときは、次の順番で確認します。

- 排水口まわりの写真を撮る
- 洗濯機をまだ運転しない
- 管理会社や大家さんへ連絡する
- 排水口の形を確認する
- 自分で用意してよい場合だけ、対応する部品を探す
排水エルボは、洗濯機の排水ホースと排水口を接続するために使われる部品です。SANEIの公式商品ページでも、洗濯機用ホースと洗濯機排水口の接続用として案内されています。
ただし、部屋にエルボがない理由は一つではありません。
- 以前の取り外し作業後に部品が残されていない
- 入居前から部品が不足していた
- 管理会社が別途用意する予定だった
- もともとエルボを使わない排水口だった
- 排水口の中や洗濯機の下に部品が隠れている
そのため、「ないから自分で買う」とすぐに決めるのではなく、まず現在の状態を記録して確認することが大切です。
最初に排水口まわりの写真を撮る
排水エルボがないことに気づいたら、洗濯機を動かす前に写真を撮っておきます。
撮影しておきたいのは、次の場所です。
- 洗濯機置き場全体
- 防水パンの有無
- 排水口の近く
- 排水ホースの先端
- 排水口と洗濯機の位置関係
- 残っているカバーやゴム部品
写真があると、排水エルボに気づいた時点の状態や、設置業者から不足を指摘された状況を管理会社へ伝えやすくなります。
ワンルームや1Kでは、排水口が洗濯機の下や奥に隠れていることもあります。一人で洗濯機を無理に動かすと、床や壁を傷つけたり、給水・排水ホースを引っ張ったりする可能性があります。
見えない場合は無理に確認せず、見える範囲を撮影して相談しましょう。
管理会社へ伝える内容
管理会社へ連絡するときは、専門用語を詳しく説明する必要はありません。
次の内容を伝えれば、状況を把握してもらいやすくなります。
- 洗濯機を設置しようとしたところ、排水エルボが見当たらない
- 入居時からなかったように見える
- 防水パンがあるか、床に排水口があるか
- 設置業者から不足を指摘されたか
- 排水口まわりの写真を送れる
- 自分で購入してよいか確認したい
たとえば、次のように伝えられます。
洗濯機を設置しようとしたところ、排水口に接続するエルボが見当たりませんでした。入居時からなかったように見えます。排水口の写真を送れますので、備品として用意されるものか、自分で購入してよいか確認をお願いします。
管理会社が必ず無料で用意するとは限りません。設備の状態や契約内容によって対応が変わるため、費用負担についても確認しましょう。
排水エルボがないとどうなる?
排水口の形によっては、エルボがなくてもホースを接続できる場合があります。
ただし、ホースが排水口へ入ることと、安定して排水できることは別です。
エルボが必要な構造なのに部品がない場合は、次のような問題につながる可能性があります。
- 排水ホースの向きが安定しない
- ホースが浅く入り、外れやすくなる
- 接続部分から排水が漏れる
- ホースが折れたり、つぶれたりする
- 排水口との間にすき間が残る
- 排水口付近から臭いを感じる
排水口からの臭いは、エルボだけでなく、排水トラップや防臭部品、接続状態なども関係します。そのため、臭いがあるからといって、エルボだけを交換すれば解決するとは限りません。
床の穴へ直接差し込める場合もある
古い賃貸などでは、床にある排水管へ排水ホースを差し込む構造もあります。この場合は、一般的な防水パン用エルボを使用しないことがあります。
一方、ホースと排水管のすき間を埋める防臭部品や、別の接続部品が必要になることもあります。
見た目だけで判断してホースを差し込むのではなく、排水口の構造を管理会社や設置業者へ確認してください。
詳しくは、こちらの記事で排水口の状態別に整理しています。

エルボがないときに考えられる3つの状態
排水エルボがないときは、大きく次の3つに分けて考えると分かりやすくなります。

次の表は、排水エルボが見当たらないときに考えられる排水口の状態と、最初に確認すべき相手・箇所を整理したものです。
| 排水口の状態 | 考えられること | 最初の対応 |
|---|---|---|
| 防水パンの排水口に部品がない | エルボなどの接続部品が不足している可能性がある | 写真を撮って管理会社へ確認 |
| 排水トラップらしき部品がある | 対応するエルボや専用部品が必要な可能性がある | 型番や残っている部品を確認 |
| 床に穴だけある | エルボを使わない構造の場合がある | 直接差し込まず、接続方法を確認 |
この表は、使用する部品を見た目だけで決めるためのものではありません。
排水口の構造は物件によって異なり、同じようなL字型の部品でも、取り付け先や対応サイズが違います。
防水パンに排水口がある
洗濯機の下に四角い防水パンがあり、その中に排水口がある場合は、排水トラップやエルボを組み合わせて接続するタイプがあります。
排水口の上に丸い開口部だけが残っている場合は、本来付いていた部品が不足している可能性も考えられます。
この場合は、
防水パン内の排水口に、洗濯機の排水ホースをつなぐ部品が見当たりません
と管理会社へ伝えると分かりやすいです。
排水トラップが残っている
排水口に丸いカバーや筒状の部品が残っている場合は、排水トラップの一部かもしれません。
排水トラップに接続するエルボには、対応する寸法や形があります。たとえば、SANEIのPH5543F公式商品ページでは、31・32・37mm兼用タイプとして案内されています。ただし、このような兼用商品でも、すべての排水口に必ず合うとは限りません。
残っている部品のメーカー名や型番が確認できる場合は、購入前に控えておきましょう。
床に穴だけある
床に排水用の穴だけが見える場合は、一般的なエルボではなく、排水管へホースを接続するための別部品が必要なことがあります。
床排水口向けには、排水トラップやカバーなどが組み合わされた製品もあります。カクダイの洗濯機用排水トラップ公式ページでも、床側の排水管へ取り付ける製品が案内されています。
ただし、このような製品には、排水管の種類や寸法、固定方法などの施工条件があります。
賃貸で床の加工やビス止めが必要になる場合は、自己判断で取り付けず、管理会社へ確認してください。
排水エルボを自分で買う前に確認すること
管理会社から「自分で用意してください」と案内された場合でも、商品名だけで選ばないようにしましょう。
最低限、次の項目を確認します。

購入前チェックリスト
- 防水パンがあるか
- 排水口が床に直接あるか
- 排水トラップが付いているか
- 既存部品にメーカー名や型番があるか
- 排水ホース側の接続部分
- 排水口側の対応サイズ
- ホースを固定するバンドなどが付属するか
- 床や排水口の加工が必要か
- 管理会社から自己手配の許可を得ているか
メーカー純正品や設備部品には、適合する商品品番が指定されていることがあります。LIXILの洗濯機用エルボ公式ページにも適合商品品番が示されているため、見た目が似ているだけでは選べません。
「洗濯機用」「汎用」と書かれていても、自分の部屋の排水口に合うとは限らないという前提で確認しましょう。
サイズを詳しく確認したい場合
排水エルボは、排水ホース側だけでなく、排水口や排水トラップ側との適合も必要です。
どこを測るのか、内径と外径のどちらを見るのかは、次の記事で詳しく解説します。

排水口が洗濯機の下に隠れている場合は、一人で動かして測ろうとせず、設置業者や管理会社へ相談しましょう。
100均のL字部品で代用してもいい?
見た目が似ているという理由だけで、100均のL字部品を排水エルボの代わりに使うのはおすすめできません。
洗濯機の排水に使う部品には、次の条件が関係します。
- 排水ホースを差し込める寸法か
- 排水口や排水トラップに合うか
- 排水時に外れないよう固定できるか
- 水に触れ続ける用途に向いているか
- 接続部分に無理な力がかからないか
100均で販売されている一般的なL字パイプや収納用品は、洗濯機排水用として設計されたものとは限りません。
また、防臭ゴムやパテで周囲を埋めればよいとも限りません。臭い対策と、排水ホースを安定して接続することは別の問題です。
ホームセンターや通販で探す場合も、「エルボ」という名前だけで選ばず、対応サイズと用途を確認してください。
管理会社や設置業者へ相談した方がよい状態
次の表は、自分で部品を買って取り付ける前に、管理会社や設置業者へ相談した方がよい状態を整理したものです。
| 状態 | 相談を優先する理由 |
|---|---|
| 入居時からエルボがない | 賃貸の備品か判断できない |
| 排水口の形が分からない | 必要な部品を特定しにくい |
| 洗濯機の下に排水口がある | 一人で動かすのが難しい |
| 既存部品が割れている | エルボ以外の交換が必要な可能性がある |
| 床の加工やビス止めが必要 | 賃貸設備を変更する可能性がある |
| すでに水漏れしている | 原因がエルボだけとは限らない |
| 強い臭いが続いている | 排水トラップなど別の問題も考えられる |
特に、設置業者から「エルボがないので取り付けられない」と言われた場合は、必要な部品名や確認箇所を聞いておくと管理会社へ説明しやすくなります。
管理会社から自分で用意するよう案内され、排水口タイプとサイズも確認できている場合に限り、自分で購入する流れへ進みましょう。
退去時に排水エルボを持っていかないよう注意する
排水エルボは洗濯機のホースに付いているため、洗濯機の付属品に見えることがあります。
しかし、入居時から排水口に付いていたものは、部屋の設備や備品として扱われている可能性があります。
引っ越し業者が洗濯機を取り外したときに、ホースと一緒にエルボまで外れることもあります。退去時には、次の点を確認しましょう。
- 入居時から付いていた部品か
- 自分で購入した部品か
- 管理会社から支給された部品か
- 部屋に残す必要があるか
- 取り外し前の状態を写真に残したか
自分で買った部品でも、既存部品の代わりとして設置している場合は、持っていく前に管理会社へ確認すると安心です。
水漏れや臭いがあるときの対応
すでに床が濡れている場合は、排水エルボを探すより先に洗濯を止めます。
水漏れ時の確認順
- 洗濯機の運転を止める
- 給水側から漏れている可能性があれば蛇口を閉める
- 水が広がる前に床を拭く
- 排水口や濡れた範囲を写真に残す
- 管理会社へ連絡する
洗濯機まわりの水漏れは、排水エルボだけでなく、排水ホースの外れや破損、排水口の詰まり、給水部分などが原因の場合もあります。
原因が分からないまま部品を交換したり、洗濯機を動かしたりしないようにしましょう。
臭いだけが気になる場合も、エルボ不足とは限りません。排水口のすき間、排水トラップの状態、汚れなどを含めて確認が必要です。
まとめ
賃貸で洗濯機の排水エルボがないときは、焦って部品を買う必要はありません。
最初に行うのは、排水口の状態を写真に残し、管理会社や大家さんへ確認することです。
- 入居時の排水口まわりを撮影する
- 排水口の形が分かるまで洗濯機を運転しない
- 備品か自己手配かを管理会社へ確認する
- 自分で買う場合は排水口タイプと対応サイズを見る
- 100均などの似たL字部品を見た目だけで代用しない
- 排水口が見えない場合は洗濯機を一人で動かさない
- 水漏れがある場合は運転を止める
- 強い臭いが続く場合は、排水口の状態を確認して管理会社へ相談する
排水口が床の穴だけなら、一般的なエルボを使わない場合もあります。反対に、防水パンや排水トラップに接続する部品が不足している場合は、適合するエルボが必要です。
「エルボがないから買う」ではなく、「どの接続方法が必要なのか確認してから用意する」と考えると、買い間違いや賃貸でのトラブルを避けやすくなります。
参考文献・出典
- SANEI「洗濯機排水トラップエルボ PH554FSA」
- SANEI「洗濯機排水トラップエルボ PH5543F」
- カクダイ「426-021-50 洗濯機用排水トラップ(カバーつき)」
- LIXILストア「洗濯機用エルボ PBF-A-001」
※対応サイズ、適合品番、価格、在庫、施工条件などは、メーカー・販売元・物件設備によって異なります。購入や取り付けの前に、各公式サイト、管理会社、設置業者の最新案内をご確認ください。
