コインランドリーの乾燥機には「高温・中温・低温」を選べる機種がありますが、それぞれが何℃かは全機種で共通ではありません。先に洗濯表示を確認し、その条件に合う設定かを実際に使う乾燥機で確かめてから選ぶのが基本です。
特に間違えやすいのが、洗濯表示の60℃・80℃と、乾燥機に書かれた「低温・高温」をそのまま対応させることです。洗濯表示で示される60℃・80℃は、タンブル乾燥処理における排気温度の上限であり、「60℃の服なら低温ボタン」「80℃なら高温ボタン」という意味ではありません。
「低温なら大丈夫そう」「毛布だから高温でよさそう」と品目名やボタン名だけで決めるのではなく、手元のタグと使う機械の両方を見る必要があります。実機側の条件を確認できないときは、推測して設定を選ばず、店内案内やメーカー情報まで確認してください。
コインランドリー乾燥機の高・中・低は全機種共通ではなく、洗濯表示と実機で選ぶ
コインランドリー乾燥機で温度を選ぶときは、最初に製品のタンブル乾燥表示を見ます。 高温・中温・低温の具体的な温度は機種や設定によって異なるため、ボタンの名称だけで選ばないようにしてください。
手元の表示と実際の乾燥機をどこまで確認できているかで、次の行動を切り分けられます。
| 手元の洗濯表示 | 実機の状態 | 現時点の判断 | 次にすること |
|---|---|---|---|
| タンブル乾燥× | どの乾燥機でも | 使用しない | 別の乾燥方法を確認する |
| 1点・低温タンブル乾燥 | 低温条件まで確認できる | 条件が合えば使用できる | 実機・店舗の案内に従う |
| 1点・低温タンブル乾燥 | 「低温」としか分からない | まだ使用可とは決めない | 型番、店内案内、メーカー情報を確認する |
| 2点・高温タンブル乾燥 | 実機条件を確認できる | 条件が合えば使用できる | 80℃を選ぶ必要があるとは考えず、実機の案内に従う |
| 表示がない・読めない | 製品条件が不明 | 品目名だけで決めない | 製品メーカーの取扱条件を確認する |
| 表示は分かる | 実機の温度条件が不明 | 設定を推測しない | 店内案内、店舗、機器メーカーなどで確認する |
1点や2点を見つけても、そこで確認は終わりません。製品側の条件に、利用する乾燥機・コースの条件が合っていることまで確認してから設定を選びます。
そもそも乾燥機へ入れてよい物か迷う場合は、タンブル乾燥表示や店内表示から投入可否を確認する方法も確認できます。

洗濯表示の60℃・80℃は排気温度の上限で、機械の低温・高温と同じ意味ではない
衣類などのタンブル乾燥表示は、点の数で乾燥条件が分かれます。消費者庁の「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」では、1点は低温タンブル乾燥で排気温度の上限60℃、2点は高温タンブル乾燥で排気温度の上限80℃、×はタンブル乾燥禁止と示されています。
ここでいう60℃・80℃は、衣類そのものがその温度になるという意味ではありません。また、2点だから「80℃で乾かすのがおすすめ」という意味でもありません。
一方、コインランドリー乾燥機では、メーカー資料に「出口温度」「乾燥温度」など別の表現が使われています。洗濯表示の数値と機械側の表示数値を、言葉や数字だけで機械的に同じものとして扱わないことが大切です。
特に1点表示の製品は低温タンブル乾燥が条件です。機械側に「低温」と書かれていても、その設定が手元の製品に必要な条件を満たしているか分からなければ、次の実機確認へ進みます。
実機の温度が分からないときは「低温」の名前だけで決めない
同じ「高温・中温・低温」という表示でも、具体的な設定値がすべての機種で同じとは限りません。目の前の機械で数値が分からない場合は、ボタン名を温度の固定値へ置き換えず、型番や案内を確認します。
高・中・低しか表示されない乾燥機は型番・店内案内・取扱説明書を確認する
操作パネルに温度の数字がなく、「高・中・低」だけが表示されている場合は、機械の型番や店内掲示を確認します。型番が分かれば、メーカーの商品情報や取扱説明書から、その機種の温度設定について確認できる場合があります。

TOSEIのCT-145G・CT-145G1・CT-255Gでは、取扱説明書上の工場出荷時の出口温度が高温70℃・中温60℃・低温50℃ですが、オーナー側で各設定を30〜75℃の範囲に変更できます。具体的な設定範囲は、TOSEI「CT-145G/CT-145G1/CT-255G 取扱説明書」で確認できます。
Electrolux ProfessionalのWD6シリーズでも標準プログラムの乾燥温度は機種によって異なり、WD6-11では高75℃・中60℃・低50℃、WD6-18などでは高70℃・中60℃・低50℃です。さらに各設定を10〜75℃の範囲で変更できる仕様が、Electrolux Professional「WD6-11/WD6-18/WD6-26 取扱説明書」に示されています。
そのため、「ネットで低温は○℃と見たから、この機械も同じ」とは当てはめられません。工場出荷時の数値が分かっていても、実際の店舗で同じ設定になっているとは限らないためです。
温度選択が見当たらず条件も不明なら、低温指定品の使用を見合わせる
操作パネルに温度選択が見当たらない場合も、「温度設定できない機械」とすぐに決める必要はありません。型番、画面表示、機械本体の注意書き、店内掲示を確認し、必要なら店舗や機器メーカーへ確認します。
特に1点表示など低温タンブル乾燥が必要な製品は、低温条件を満たすと確認できるまでは使用を見合わせ、店舗や機器メーカーへ確認します。 「低温」という表示がないから危険、「低温」と書いてあるから使える、と名前だけで判断しないことがポイントです。
毛布・羽毛布団・タオルも品目名ではなく手元の洗濯表示を優先する
「毛布は高温」「タオルは高温」のように品目名だけで設定を決めると、手元の製品条件と合わないことがあります。同じ毛布やタオルでも、素材や構造、製品ごとの取扱条件は同じとは限りません。
温度を決める起点は品名ではなく洗濯表示です。タンブル乾燥×ならコインランドリー乾燥機を使わず、1点なら低温タンブル乾燥の条件を確認し、2点でも80℃の設定を積極的に選ぶ必要があるという意味には取りません。
製品表示では乾燥可能でも、店舗や機械側で特定の品物を禁止している場合は、その案内にも従ってください。製品側と機械側の両方の条件がそろって、初めて温度設定を選べます。
時短やダニ対策でも製品の乾燥条件を超えて高温にしない
「早く乾かしたい」「ダニ対策をしたい」という目的があっても、製品側のタンブル乾燥条件より先に高温を選ぶことはできません。温度以外の条件が関係するため、高温を選ぶだけで乾燥時間やダニ対策の結果まで決めないようにします。
コインランドリー乾燥機は30分で十分とは温度だけでは決められない
「高温なら30分で十分」といった、すべての洗濯物に共通する乾燥時間は決められません。メーカーの取扱説明書には乾燥温度と運転時間を設定する項目がありますが、それだけであらゆる洗濯物の乾燥完了時間を決めることはできません。
品物、量、脱水状態、利用する機械などによって必要な時間は変わるため、温度設定と乾燥時間は分けて考えます。高温へ変更したときに何分短縮できるかという共通の目安も設けず、対象品と実機の案内、乾き具合に合わせて判断してください。
シーツを乾燥するときの確認時間や追加乾燥の考え方は、次の記事で詳しく確認できます。

ダニ対策は50℃以上30分ほどが目安でも、高温コースだけで条件達成とは決めない
埼玉県衛生研究所「ダニのなかま」では、ヒョウヒダニ類について、生きているダニは50℃以上で30分ほどで死亡すると案内しています。
ただし、この数値だけから「コインランドリーの高温コースを選べば、寝具の内部まで必ず同じ温度・時間になる」とは決められません。対象の寝具などがタンブル乾燥に対応していることも先に確認する必要があります。
ダニ対策を目的にしても、タンブル乾燥×の製品を高温乾燥する理由にはなりません。 製品の乾燥条件を守ったうえで、必要な対策を選んでください。
異臭・煙などの異常時は温度を変えて続けず、使用を止めて店舗へ連絡する
乾燥中に異臭、煙、通常とは違う異常を感じた場合は、「温度を下げれば続けられる」と考えずに使用を止めてください。通常の温度選択とは別の問題として、機械の案内や店内表示に従い、店舗の連絡先へ知らせます。
ドアを無理に開けたり、異常がある状態で設定を変えながら運転を続けたりしないことも重要です。停止方法が分からない場合も、機械の表示や店舗の案内を優先してください。
まとめ
コインランドリー乾燥機の高温・中温・低温は、全国共通の固定温度ではありません。洗濯表示を先に見て、実際に使う乾燥機の条件が合うと確認できてから温度を選ぶのが基本です。
1点は排気温度上限60℃の低温タンブル乾燥、2点は同80℃の高温タンブル乾燥ですが、機械の「低温・高温」という名称と自動的に1対1で対応するとは限りません。毛布やタオルといった品目名だけで決めたり、時短やダニ対策のために製品の条件を超えて高温にしたりするのも避けてください。
迷ったときは、洗濯表示→実機の型番・パネル→店内案内・メーカー情報の順に確認します。条件が合えば設定を選び、低温条件などを確認できなければ使用を見合わせて確認先へ進むと、一般的な温度表だけに頼らず判断できます。
参考文献・出典
- 消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」
- TOSEI「CT-145G/CT-145G1/CT-255G 取扱説明書」
- Electrolux Professional「コイン式洗濯乾燥機 WD6-11/WD6-18/WD6-26 取扱説明書」
- 埼玉県衛生研究所「ダニのなかま」
※洗濯表示の60℃・80℃はタンブル乾燥処理における排気温度の上限です。乾燥機メーカーが示す「出口温度」「乾燥温度」などと、数値だけで同じ条件とみなさないでください。
※TOSEI、Electrolux Professionalの温度は記載した機種の仕様例です。工場出荷時の設定から変更できる機種があるため、利用時は実際の機械の型番、操作表示、店内案内、メーカーの取扱説明書を確認してください。
※ダニに関する50℃以上・30分ほどという案内はヒョウヒダニ類についての目安です。寝具内部のすべてが同じ温度と時間の条件になることや、特定の乾燥コースだけで対策が完了することを示すものではありません。手元の製品がタンブル乾燥に対応しているかを先に確認してください。
