ポケットにお札を入れたまま洗濯すると、濡れてしわになったり、縮んだように見えたりすることがあります。破れていなくても、「乾かせば使えるのか」「銀行で交換した方がよいのか」と不安になるかもしれません。
洗濯しただけで、お札の価値が直ちになくなるわけではありません。 濡れている間は無理に伸ばさず、できる限り1枚ずつの状態で乾燥させてください。
破れや欠損、強い貼り付きがある場合は、元どおりにしようと処置を重ねるより、損傷を広げないことが優先です。小さな欠片も捨てず、必要に応じて日本銀行や取次対応する金融機関へ相談します。
最初に、1枚ずつ扱える状態か、破れたり欠けたりしていないかを確認してください。
洗濯したお札は無理に伸ばさず1枚ずつ乾かす
濡れたお札を見つけたら、できる限り1枚ずつの状態で乾燥させるのが基本です。日本銀行も、濡れた銀行券はできる限り1枚ずつ乾燥させるよう案内しています。
複数枚が重なっていても、濡れた状態で強く引っ張らないでください。表面が柔らかくなっていると、剥がす途中で破れたり、紙の一部が欠けたりする可能性があります。
持ち込み前の整理方法や受付条件は、日本銀行の「損傷現金の引換え案内」で確認できます。
取り出した直後に破れ・欠損・貼り付きを確認する
お札を動かす前に、次の状態を確認します。
- 1枚ずつ分けられる状態か
- 端や中央に破れがないか
- 欠けた部分や小さな紙片がないか
- 表裏と券種を確認できるか
- 複数枚が強く貼り付いていないか
破片が見つかった場合は、大きさにかかわらず保管してください。同じお札の一部と認められた紙片は、面積を合計して引換基準が適用されます。
洗剤や漂白剤を使って洗い直すのは避けてください。簡単に外れない付着物がある場合は無理にこすらず、持ち込み先へ扱いを確認します。
日本銀行は、付着物をできる限り取り除くよう案内していますが、洗剤や薬剤を使った除去方法までは示していません。無理なく外せるものだけにとどめ、紙面を傷めそうな作業は続けない方が安全です。
乾燥後もしわや縮みが残ったら機械へ繰り返し入れない
洗濯したお札は、乾いた後もしわや縮みが残ることがあります。ただし、乾いたことだけを理由に、ATMや自動販売機で問題なく使えるとは限りません。
ATMや自動販売機が受け付ける具体的な状態は、日本銀行の損傷現金に関する案内では示されていません。機械から返却された場合は、向きを変えて何度も投入せず、使用しにくい状態として金融機関へ相談してください。
機械が受け付けないことと、お札の引換価値がなくなったことは別です。 使用が困難な状態でも、日本銀行の基準を満たせば引換えの対象になります。
お札の状態別に次の行動を決める
乾かす方法をいくつも試すより、現在の状態から「1枚ずつ乾燥を続けるか」「自宅での作業を止めて相談するか」を決めることが先です。
| お札の状態 | 今すること | 避けること | 自宅での作業を止める目安 |
|---|---|---|---|
| 濡れているが原形がある | できる限り1枚ずつ乾燥させる | 強く引っ張る、こする | 乾燥後も大きな変形や判別しにくい汚れが残る |
| 乾いたがしわ・縮みがある | 表裏、券種、破れを確認する | ATMなどへ繰り返し投入する | 使用しにくいほどの変形が残る |
| 破れ・欠損がある | 欠片をすべて集めて保管する | 欠片を捨てる | 破れや欠損を確認した時点 |
| 複数枚が貼り付いている | 無理に剥がさず状態を保つ | 力を加えて引き離す | 剥がすと破れそう |
| 表裏や券種が分かりにくい | 追加の処置を止める | 洗い直しや強い摩擦 | 判別しにくいと確認した時点 |
迷ったときは、元どおりにする処置より、損傷を広げない対応を優先してください。
濡れているだけで原形がある場合
破れや欠けがなく、1枚ずつ扱える場合は、その状態で乾燥させます。日本銀行の公式案内は、特定の家庭用器具を指定するものではなく、「できる限り1枚ずつの状態で乾燥させる」という内容です。
乾燥後は、表裏、券種、破れの有無をもう一度確認します。使用できるかは、しわや縮みの程度などによって異なり、一律には判断できません。
大きな変形や判別しにくい汚れが残り、使用しにくいと感じる場合は、無理に使おうとせず金融機関への相談を優先してください。
破れ・欠損や強い貼り付きがある場合
破れたお札や欠けたお札は、小さな紙片も含めてすべて保管します。どの片が同じお札の一部か分からない場合は、自己判断で貼り合わせず、持ち込み先へ相談してください。
日本銀行は、破れた銀行券について、表裏を確認できる状態で、紙テープなど粘着性の弱いテープを使い、できる限り各片を貼り合わせて持ち込むよう案内しています。貼り合わせられなかった紙片も、すべて持ち込む必要があります。
これは店舗やATMで使うための補修ではなく、引換えのための持ち込み準備です。異なるお札の紙片を一緒に貼らないよう注意してください。
複数枚が強く貼り付いている場合も、剥がすと破れそうなら作業を止めます。事前に損傷の状態と枚数を伝え、どのように持ち込むべきか確認してください。
アイロンやドライヤーで急いで伸ばすのは避ける
アイロン、ドライヤー、本に挟む方法などは、洗濯したお札の対処として紹介されることがあります。しかし、今回確認した日本銀行の案内には、これらの器具を使うよう求める記載はありません。
アイロンやドライヤーを使えば、安全に元どおりになるとは断定できません。しわや縮みを直すために強い熱や圧力を加えるより、1枚ずつ乾燥させ、乾燥後の状態から引換相談の必要性を判断します。
次のような処置は積極的に行わない方が安全です。
- 濡れたお札へ直接アイロンを当てる
- 強い熱風を近距離から当てる
- スチームや水分を追加して伸ばす
- 電子レンジや衣類乾燥機へ入れる
- 重なった紙幣を強い力でプレスする
これらが日本銀行によって一律に禁止されているという意味ではありません。特定器具の安全な使用条件が公式に示されていないため、損傷を広げる可能性のある処置を積極的に勧めないという判断です。
洗濯したお札を銀行で交換する方法
乾燥後も使用が難しいお札は、日本銀行の本支店へ直接持ち込むか、取次に対応している金融機関へ相談します。
日本銀行へ直接持ち込む場合と、一般の銀行などに取次を依頼する場合では、予約、手数料、必要なものが異なる可能性があります。
日本銀行へ直接持ち込む場合
日本銀行は、汚染や損傷などによって使用が困難となった銀行券を引換対象としています。引換えは日本銀行の本支店で受け付けており、郵送には対応していません。
受付時間は、日本銀行の営業日の午前9時から午後3時です。事前予約が求められているため、来店前に利用する本支店へ連絡してください。
数量や損傷の程度、受付時間によっては当日中に引換えが終わらず、後日に改めて持ち込むよう求められる場合があります。日本銀行は、営業日をまたいで損傷現金を預かることを原則として行っていません。
連絡する前に、次の内容を確認しておくと状況を伝えやすくなります。
- お札の枚数と券種
- 濡れ、破れ、欠損、貼り付きの状態
- 紙片がいくつあるか
- 希望する来店日時
- 持ち込み前に必要な整理方法
最寄りの連絡先は、日本銀行の損傷現金に関する本支店連絡先で確認できます。
日本銀行が直接行う損傷現金の引換えでは、手数料はかかりません。
一般の銀行や信用金庫へ相談する場合
銀行や信用金庫などが、日本銀行への取次を行っている場合があります。ただし、すべての金融機関や支店が対応しているとは限りません。
普段利用している金融機関へ、次の点を事前に確認してください。
- 損傷した紙幣の引換えまたは取次に対応しているか
- 口座の保有が必要か
- 手数料がかかるか
- 持参するものがあるか
- 受付時間と所要期間
- 予約が必要か
日本銀行京都支店も、市中金融機関が日本銀行への取次を行う場合があるため、取扱いについて各金融機関へ確認するよう案内しています。
平日の日本銀行受付時間に行きにくい場合でも、金融機関の対応を確認せず直接出向くと、受け付けてもらえない可能性があります。電話などで損傷状態と枚数を伝えてから来店すると、無駄足を避けやすくなります。
郵便局・ゆうちょ銀行は取扱いを事前確認する
郵便局やゆうちょ銀行で、洗濯・破損したお札を一律に交換または取り次いでもらえると確認できる公式案内は、今回使用する資料にはありません。
「郵便局なら交換できる」と決めず、利用予定の窓口へ事前に確認してください。対応していない場合は、日本銀行の本支店または取次可能な金融機関へ相談します。
破れたお札の引換額は残っている面積で決まる
破れたり一部が欠けたりしたお札は、表裏両面がそろっていることを前提に、残っている面積によって引換額が決まります。
次の表は、表裏両面がある損傷銀行券について、券面の残っている面積ごとに引換額がどう分かれるかを整理したものです。
| 残っている面積 | 引換額 |
|---|---|
| 券面の3分の2以上 | 額面の全額 |
| 券面の5分の2以上、3分の2未満 | 額面の半額 |
| 券面の5分の2未満 | 失効 |

複数の紙片が同じお札の一部と認められた場合は、それぞれの面積を合計して判断されます。小さな欠片や、貼り合わせられなかった紙片もすべて保管してください。
最終的な引換額は日本銀行が判定します。自分で面積を測って価値がないと判断したり、欠片を処分したりしないでください。
基準の図と適用条件は、日本銀行の「損傷銀行券の引換基準」で確認できます。
まとめ
洗濯したお札を見つけても、濡れただけで直ちに価値がなくなるわけではありません。無理に伸ばさず、できる限り1枚ずつ乾燥させることから始めます。
破れ、欠損、強い貼り付きがある場合は、元どおりにしようと処置を続けないでください。欠片をすべて保管し、剥がすと破れそうな状態なら、そのまま日本銀行または取次対応する金融機関へ相談します。
乾燥後もしわや縮みが残っている場合は、ATMや自動販売機へ繰り返し投入しない方が安全です。機械が受け付けなくても、お札の引換価値が失われたとは限りません。
日本銀行へ直接持ち込む場合は、最寄りの本支店へ事前予約します。一般の銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行、郵便局を利用したい場合は、取扱い、手数料、必要なものを来店前に確認してください。
参考文献・出典
- 日本銀行「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」
- 日本銀行「損傷銀行券の引換基準」
- 日本銀行「損傷したお金に関する事前連絡・お問い合わせ先」
- 日本銀行京都支店「損傷現金の引き換えを希望されるお客様へ」
※予約方法、受付条件、市中金融機関の取扱いは変更されたり、窓口によって異なったりする場合があります。来店前に、利用予定の窓口で最新情報を確認してください。
※アイロンやドライヤーなど特定の家庭用器具については、引用した日本銀行の案内で推奨されている方法ではありません。また、ATM、自動販売機、店舗で使用できる状態について、引用資料では一律の基準が示されていません。
