ボールペンを洗濯してしまったら、すぐに洗い直すのではなく、ペンの破損やインク漏れ、服・洗濯槽への付着を確認してください。
服にインクが付いている場合は、汚れた服をほかの洗濯物と分け、ペンのメーカーと衣類の洗濯表示を調べます。洗濯機にインクが付いた場合は、衣類用のシミ抜き方法をそのまま使わず、機種別の取扱説明書を確認する必要があります。
「油性か水性か分からない」「複数の服に広がった」「乾燥機まで使ってしまった」という場合も、慌てて薬剤を重ねる必要はありません。インクメーカーによっては、自宅での洗濯を勧めず、クリーニング店への相談を案内しています。
最初に、インクがどこに、どの程度付いているかを確かめましょう。
ボールペンを洗濯したら、インク漏れと服・洗濯槽の汚れを先に確認する
洗濯したボールペンを見つけたら、ペンの破損・インク漏れと、服や洗濯槽への付着を確かめてください。服に付いたインクと洗濯機の汚れは、同じ方法で処理しないことが基本です。
インクが付いた服があれば、ほかの洗濯物と分けて状態を確かめます。そのうえで、服の洗濯表示とインクメーカーの案内、洗濯機の型番を確認します。
洗濯後の状態によって、次に見る場所と取る行動が変わります。自分に当てはまる項目から確認してください。
| 洗濯後の状態 | まず確かめること | 次の行動 |
|---|---|---|
| 目立つインク汚れがない | ペンや替芯の破損、ポケットの内側、槽内への付着 | 不要なシミ抜き剤を使わず、異物や汚れが残っていないか点検する |
| 服の一部分にインクが付いた | ペンのメーカー・インクの種類、服の洗濯表示 | メーカーの案内を確認してから、追加処理か専門店への相談かを決める |
| 複数の服にインクが広がった | 服ごとの素材・洗濯表示・汚れの範囲 | まとめて薬剤処理せず、1枚ずつ状態を確認する |
| 洗濯槽やパッキンにインクが付いた | 洗濯機のメーカー・型番・付着した部位 | 取扱説明書で、その部位のお手入れ方法を調べる |
| すでに乾燥した・時間がたった | 残った汚れ、乾燥方法、これまでの処理 | 除去不能と決めつけず、追加処理の前に専門店へ相談する |
| インクの種類や服の素材が分からない | ペン本体・替芯の表示、衣類のタグ | 推測だけで薬剤を選ばず、メーカーやクリーニング店へ確認する |
乾燥済みで、さらに複数の服に汚れがある場合などは、該当する項目を両方確認してください。服に汚れがある場合はインクメーカーと洗濯表示を、洗濯槽に付いた場合は機種別の説明書を確認します。
目立つインク汚れがなくても、ペンが壊れていないか、外れた部品が洗濯機の中に残っていないかは確認しておきたいところです。汚れが見当たらないだけで、必ず洗い直しが必要だと決めることもありません。
ポケットの内側、衣類の重なった部分、洗濯槽の見える範囲を確認し、ペンの部品が残っていないかも確かめます。

破損した部品が見つからない場合や洗濯機に異常がある場合は、使用を再開する前にメーカーへ相談してください。
服にインクが付いたら、ペンの種類と洗濯表示を確かめる
ボールペンのインクが服に付いても、すぐに洗剤や除光液で落とそうとしないでください。 インクのメーカー・種類と、服の素材や洗濯表示によって、取れる対応が異なります。
パイロットは、同社のインキが衣類などに付着した場合、落とすことは極めて困難であり、自分で洗濯せずにクリーニング店へ相談するよう案内しています。その際、インキの種類を伝えることも勧めています。詳しくはパイロットの「インキで服を汚してしまいました。自分で洗って取れますか?」で確認できます。
これはパイロット製インキについての案内です。他社製のインクまで同じ扱いだと決めつけず、使用したペンのメーカー情報を調べてください。
衣類については、洗濯表示の家庭洗濯・漂白・乾燥などの記号と、付記されている注意書きを確認します。記号の意味は消費者庁の「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」で確認できます。
ただし、家庭洗濯できる服でも、どんなインク除去剤でも使用できるという意味ではありません。 洗濯表示に加え、使おうとしている製品の対象素材と使用上の注意も必要です。
洗濯表示に水洗い不可が付いている場合や、服の縮み・型崩れが気になる場合は、追加の洗濯を始める前に衣類の状態を確かめてください。
水洗いできない服を誤って洗ったときの対処は、次の記事も参考になります。

油性・水性・ゲルが分からないときはペン本体と替芯を見る
インクの種類が分からない場合は、ペン本体の印字や替芯の品番を確認します。メーカーと商品名が分かれば、該当製品の公式情報を探す手掛かりになります。
油性・水性・ゲルという分類だけで、家庭でのシミ抜き方法を決めないようにしてください。同じ分類でも製品ごとに成分やメーカー案内が異なるためです。
ペン本体や替芯を特定できない場合は、インクの色や見た目だけで薬剤を選ぶのを控え、クリーニング店へ汚れの状態を伝えて相談します。
複数の服にインクが付いたら、1枚ずつ汚れと洗濯表示を確かめる
洗濯中にインクが広がった場合は、汚れた服を分けて、1枚ずつ素材・洗濯表示・汚れの範囲を確認してください。
同じ洗濯機に入っていた服でも、素材や色、加工が異なれば使える薬剤や処理方法が同じとは限りません。小さな点状の汚れに対する方法を、複数枚の広い汚れへそのまま繰り返すのは避けたいところです。
大切な服や広範囲に汚れた服は、家庭で一括処理せず、クリーニング店へ相談する選択があります。その際は、汚れた場所が分かる写真やペンの情報を用意すると、状況を伝えやすくなります。
乾燥後や時間がたったインク汚れは、追加処理の前に相談を検討する
すでに乾燥機を使った場合や、洗濯から時間がたっている場合も、必ず落ちないと決めつける必要はありません。 ただし、乾燥前の衣類を前提としたシミ抜き方法を、そのまま試してよいとも限りません。
服に残っている汚れの範囲、ペンのメーカー・インクの種類、洗濯表示、すでに行った処理を確かめてください。乾燥機を使った場合は、そのこともクリーニング店へ伝えます。
気になるからと洗剤や溶剤を次々に試すと、インク汚れ以外に色落ちや生地の変化が生じるおそれもあります。特にお気に入りの服や家庭での洗濯に制限がある服は、追加処理を控えて相談する方がよい場面です。
乾燥後の汚れが除去できるかどうかは、インク、衣類、付着状況によって異なります。クリーニング店へ相談しても、完全に落とせる保証があるわけではありません。
オキシクリーン・漂白剤・ウタマロはインク汚れに使える?
漂白剤や洗剤を服に使用できることと、ボールペンのインクを落とせることは別です。 家にある商品を使いたい場合も、正確な製品名と衣類の表示を確かめてください。
オキシクリーンは、同じブランドでも製品によって使用可能な素材が異なります。例えば、粉末タイプの「オキシクリーンスタンダードマルチタイプ」には、ウール・シルクなどの水洗いできない繊維製品への使用制限があります。一方、「オキシクリーン パワーリキッド」は、公式の商品説明でウール・シルクへの使用が案内されています。
ただし、パワーリキッドでも水洗いできないものや漂白剤使用不可のものなどは使用対象外です。また、使用可能な素材だからといって、ボールペンインクが落ちると保証されるわけではありません。
ウタマロも製品を区別する必要があります。ウタマロ公式サイトの「Q&A」では、ウタマロ石けんは蛍光増白剤を配合するため、色柄物への使用を基本的に推奨していません。一方、ウタマロリキッドは中性・無けい光であり、製品の性質が異なります。
使おうとしている洗剤や漂白剤を選ぶ前に、次の点を確認してください。
- 衣類の洗濯表示で、その種類の漂白や洗濯が認められているか
- 使用する商品の正確な名称と、対象素材・使用できないもの
- インクメーカーが家庭での処理を案内しているか
- すでに別の洗剤や薬剤を使用していないか
洗剤・漂白剤・溶剤を自己判断で混ぜないでください。 また、漂白剤が使用可能な服でも、特定のインク汚れに適しているか分からない段階で使用を決める必要はありません。
洗濯槽やパッキンにインクが付いたら、機種別の掃除方法を確認する
服のインク汚れに使う薬剤を、そのまま洗濯槽やドアパッキンへ使用しないでください。洗濯機のお手入れは、機種と汚れた部位によって方法が異なります。
洗濯機のメーカーと型番を確かめたら、取扱説明書で「本体のお手入れ」「ドラムのお手入れ」「ドアパッキンのお手入れ」など、インクが付いた場所に対応する項目を探します。
例えば、日立の洗濯乾燥機BD-SX120Jの「本体、ドラム」お手入れ案内では、ドアガラス・ドアパッキンについて、柔らかい布での拭き取りや、使用してはいけない清掃用品が示されています。
同機種のドアガラス・ドアパッキンのお手入れでは、ベンジン、クレンザー、アルカリ性・弱アルカリ性洗剤などで拭かないよう注意されています。一方、ドラム表面のお手入れは別に案内されています。ドア周辺とドラム表面を同じ方法で掃除する前提にはしないでください。
この案内はBD-SX120Jについてのものであり、すべての洗濯機に同じ清掃方法が当てはまるわけではありません。また、通常のお手入れ方法が、インクの完全除去を保証するものでもありません。
次の洗濯を始める前には、見える範囲にインクやペンの部品が残っていないか、使用中に異常がなかったかを確認します。汚れが残る場合、部品が見つからない場合、異音や動作の異常がある場合は、無理に運転を繰り返さずメーカーへ相談してください。
インクが落ちない・服が傷んだときは処理を止めて相談する
洗剤を試しても汚れが変わらない、インクが広がる、色落ちや生地の傷みが見える場合は、追加の処理をいったん止めてください。
クリーニング店へ相談する際は、分かる範囲で次の情報を伝えると、服の状態を説明しやすくなります。
- ボールペンのメーカー・商品名・インクの種類
- 汚れた服の素材と洗濯表示
- 汚れた場所と範囲
- 洗濯後に乾燥機を使ったか
- すでに使った洗剤・漂白剤・その他の薬剤
- 色落ち、変色、生地の傷みの有無
自宅で何度も処理を重ねるかどうかを決める前に、衣類とインクの情報を整理して相談しましょう。専門店でも除去できない場合はあるため、仕上がりや追加料金なども依頼前に確認してください。
よくある質問(FAQ)
洗濯したボールペンはまだ使えますか?
洗濯したペンが再使用できるかは、製品の種類と、水の侵入・破損・インク漏れの状態によって異なります。洗濯後の正常な使用は保証できません。
本体や替芯に破損がないか確かめ、メーカーの該当製品の案内を確認してください。自己流で強く振ったり加熱したりする復活方法は勧められません。
なお、フリクションのインクが高温で無色になる現象は、洗濯後の水濡れや故障とは別です。色が見えなくなっても、衣類からインク成分が取り除かれたことにはなりません。温度による消色についてはパイロットの「フリクションで書いたものが自然に消えることはありますか?」で確認できます。
激落ちくんでボールペンのインク汚れをこすってもいいですか?
「激落ちくん」には異なる種類の商品があるため、商品名だけでは衣類のインク汚れへの使用可否を決められません。
使おうとしている商品の用途と使用できない素材を確認してください。衣類への使用が案内されていない商品を、自己判断でシミ抜きに使うのは控えましょう。特に強くこすると、汚れが広がったり、生地に影響したりするおそれがあります。
まとめ
ボールペンを洗濯してしまったら、最初に確認したいのはペンの破損・インク漏れと、服や洗濯槽への付着場所です。目立つ汚れがなくても、ポケットの内側や槽内に異物が残っていないかを見ておきましょう。
服にインクが付いていたら、汚れた衣類を分け、インクメーカーの案内と洗濯表示を確かめます。特にパイロット製インキでは、メーカーが自宅での洗濯を勧めず、クリーニング店への相談を案内しています。
洗濯槽に付いたインクは、使用機種の説明書で清掃方法を確認してください。乾燥済みの服、複数枚へ広がった汚れ、素材やインクが分からない服は、追加の薬剤処理を急がず相談する選択があります。
インクの付着先を確かめ、服はインクメーカーと洗濯表示、洗濯機は型番ごとの説明書へ進む。 この順番なら、何を調べ、どこへ相談すべきかを決められます。
参考文献・出典
- パイロット「インキで服を汚してしまいました。自分で洗って取れますか?」
- 消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」
- グラフィコ「オキシクリーンスタンダードマルチタイプ」
- グラフィコ「オキシクリーン パワーリキッド」
- ウタマロ公式サイト「Q&A」
- 日立「BD-SX120J 本体、ドラム」
- パイロット「フリクションで書いたものが自然に消えることはありますか?」
※インクが付いた衣類への処理方法は、ペンのメーカー・インクの種類、衣類の素材・加工・洗濯表示、汚れの範囲、乾燥や薬剤処理の有無によって異なります。使用する製品の案内を確認し、家庭での処理が適切か分からない場合はクリーニング店へ相談してください。
※オキシクリーンやウタマロは、同じブランドでも製品ごとに成分、使用可能な素材、注意事項が異なります。手元の商品ラベルと製品別の公式説明を照合してください。
※洗濯機の清掃方法はメーカー・型番・部位ごとに異なります。日立BD-SX120Jのお手入れ例を他機種へそのまま当てはめず、使用中の洗濯機の取扱説明書を確認してください。
