洗濯機が脱水に入ったはずなのに、再び水が入り、すすぎへ戻ることがあります。
これは、洗濯物の片寄りを直すために、洗濯機が給水して衣類を動かす補正運転の場合があります。1回すすぎへ戻っただけなら、すぐ故障とは限りません。
ただし、何度も同じ動きを繰り返す、脱水が終わらない、エラーが表示される場合は確認が必要です。まずは洗濯物の片寄り・量・種類を見直し、改善しなければ本体のガタつきや排水状態を確認しましょう。
回転中の洗濯槽へ手を入れたり、一人で洗濯機を持ち上げたりしないでください。 操作方法や確認箇所は機種によって異なるため、取扱説明書を優先してください。
洗濯機がすすぎに戻るのは、片寄りを直す動作の場合がある
脱水では、洗濯槽が高速で回転します。
その前にタオルや衣類が片側へ固まっていると、洗濯槽のバランスが崩れ、大きく揺れる可能性があります。
そのため、洗濯機が片寄りを検知すると、自動的に水を入れて衣類を動かし、バランスを整えてから脱水をやり直すことがあります。

パナソニックの縦型洗濯機に関する公式FAQでも、衣類が片寄っている場合は、高速脱水へ移る前に給水・すすぎを行い、衣類の位置を変える補正運転をすると説明されています。
日立の「脱水されない場合」の公式案内でも、洗濯機が自動で補正運転を行い、それでも片寄りが解消されなければ、洗濯物や本体を保護するため運転を停止するとされています。
1回だけなら故障とは限らない
衣類をほぐした後に脱水でき、その後は同じ症状が起きないなら、一時的な片寄りだった可能性があります。
特に、次のような洗い方では片寄りが起こりやすくなります。
- バスタオルやシーツなどをまとめて洗った
- 厚手の服だけを洗った
- 洗濯ネットを複数使った
- 洗濯物を詰め込みすぎた
- 少ない衣類だけで洗った
一度すすぎへ戻っただけで、すぐ修理や買い替えを考える必要はありません。
何度も戻る場合は確認が必要
衣類の片寄りが解消されないと、洗濯機がすすぎと脱水を繰り返した後、エラーを表示して停止することがあります。
また、片寄り以外にも、次のような原因が関係する場合があります。
- 洗濯機本体のガタつき
- 排水ホースの折れやつぶれ
- 排水口やフィルターの詰まり
- 洗濯機で脱水できない物を入れている
- 洗濯機本体の不具合
何度も再スタートする前に、一度運転を止めて中を確認しましょう。
最初に洗濯物の片寄り・量・種類を確認する
洗濯機がすすぎへ戻ったら、最初に確認するのは洗濯物です。
焦って脱水ボタンを何度も押すより、衣類の状態を直してから再開する方が、早く終わる可能性があります。

ここからは、洗濯物の片寄り、量、ネット、大物、防水性の物を順番に確認します。
洗濯槽が完全に止まってから衣類をほぐす
運転を一時停止し、洗濯槽が完全に止まるのを待ちます。
ふたやドアを開けられる状態になったら、片側へ固まった衣類をほぐし、洗濯槽の中へできるだけ均等に広げます。
特に確認したいのは、次のような状態です。
- バスタオルが一か所へ固まっている
- シーツがほかの衣類を包み込んでいる
- 厚手の服が下側へ偏っている
- 洗濯ネットが一方へ集まっている
- 衣類同士が強く絡んでいる
重い衣類を一か所へまとめず、全体へ分散させます。
洗濯物が多すぎる場合は減らす
衣類を詰め込みすぎると、洗濯槽の中で動く余裕がなくなり、片寄りを直しにくくなります。
洗濯物が押し込まれた状態なら、一部を取り出して分けて洗いましょう。
タオルケットやシーツなどの大物、ジーンズや厚手の服が多い場合も、量を減らして絡みをほぐします。
洗濯機の容量以内に見えても、衣類の種類や組み合わせによっては片寄ることがあります。
少なすぎる洗濯物でも片寄ることがある
一人暮らしでは、タオルや服を少量だけ洗うことがあります。
ただし、洗濯物が少なすぎる場合も、衣類が洗濯槽の一方へ張り付き、バランスを取りにくくなることがあります。
少量時の対処は機種によって異なります。メーカーによってはバスタオルなどを追加するよう案内している場合がありますが、使用中の機種の取扱説明書に従ってください。
厚手の服を適当に足すなど、自己判断でさらに偏りやすい物を追加するのは避けましょう。
洗濯ネットへ詰め込みすぎていないか確認する
洗濯ネットへ衣類を詰め込むと、ネット全体が大きなかたまりになり、脱水時の片寄りにつながることがあります。
次のような使い方を見直します。
- 大きなネットへ複数の衣類を詰め込む
- 洗濯物の多くをネットへ入れる
- 洗濯ネットに入れた物だけで洗う
- 重いネットと軽い衣類を一緒にする
ネットへ入れる衣類を減らす、必要に応じて複数へ分けるなど、使用機種の説明書に沿って調整してください。
洗濯ネットから出してよい衣類なら、いったん出して脱水を試す方法もあります。
大物や厚手の衣類だけで洗っていないか確認する
シーツ、タオルケット、バスタオル、ジーンズなどは、水を含むと重くなります。
これらを単独、またはまとめて洗うと、洗濯槽の片側へ寄りやすくなります。
大物や厚手の衣類で止まった場合は、
- 量を減らす
- 絡みをほぐす
- 対応コースを確認する
- 単独洗いできる物か説明書で確認する
という順に見直しましょう。

防水性の物や洗濯機で扱えないマット類に注意する
防水性が高い物や、水を通しにくい物は注意が必要です。
たとえば、次のような物です。
- レインコート
- 防水シート
- おむつカバー
- カーペット
- 足ふきマット
- 厚手のマット類
- 防水性のカバー
これらは水が抜けにくく、脱水時の排水不良や異常振動につながることがあります。
日本電機工業会の防水性衣料に関する注意や、洗濯機の取扱説明書を確認してください。
洗濯表示だけでなく、洗濯機側で洗濯・脱水できる物かを見ることが大切です。
洗濯機のガタつきや傾きを確認する
洗濯物を整えても脱水できない場合は、洗濯機本体の設置状態を確認します。
本体が傾いていたり、脚の一部が床から浮いていたりすると、脱水時に振動が大きくなります。
天面の対角を軽く押して確認する
運転を止めた状態で、洗濯機の天面にある対角の角を交互に軽く押します。
本体がカタカタ動く場合は、脚が床へ均等に接していない可能性があります。
ただし、次のような作業は一人で無理に行わないでください。
- 洗濯機を持ち上げる
- 本体を大きく移動する
- 狭い隙間へ手を入れる
- 重い洗濯機を傾ける
- 脚の下へ無理に物を入れる
洗濯機の調整には、機種によって調整脚や水準器を使います。
指を挟んだり、給水ホースや排水ホースを引っ張ったりする可能性があるため、難しい場合は設置業者や販売店へ相談しましょう。
賃貸では勝手なかさ上げや移動を避ける
防水パンの上でガタついている場合も、原因を確認せずに市販品を追加すればよいとは限りません。
かさ上げによって、次のような問題が起きる可能性があります。
- 水栓と洗濯機がぶつかる
- 給水ホースが曲がる
- 排水ホースの位置が変わる
- 洗濯機が不安定になる
賃貸で設置状態に不安がある場合は、管理会社、設置業者、販売店などへ確認してください。
すすぎから脱水へ進まないときは排水を確認する
洗濯物と設置状態に問題が見当たらない場合は、排水を確認します。
洗濯槽の水が十分に抜けないと、安全のため脱水へ進まなかったり、正常に高速回転できなかったりする場合があります。
排水ホースの折れ・つぶれを見る
洗濯機の電源を切り、見える範囲で排水ホースの状態を確認します。
- ホースが洗濯機の下敷きになっていないか
- 強く折れ曲がっていないか
- 途中でつぶれていないか
- 不自然に高く持ち上がっていないか
- 排水口から外れていないか
洗濯機の裏側に手が届かない場合は、本体を無理に動かさないでください。
排水ホースの正しい取り回しは機種や設置環境によって異なるため、取扱説明書を確認します。
排水口の周囲を確認する
排水口に糸くずや汚れがたまると、水の流れが悪くなる場合があります。
見える範囲で、
- 水があふれた跡がないか
- 排水口周辺が濡れていないか
- 強い詰まりや逆流がないか
- 排水ホースが正しく接続されているか
を確認します。
賃貸では、排水口の部品を無理に外したり、配管の奥へ道具を入れたりしないでください。
排水口が穴だけに見える場合や、排水エルボが見当たらない場合は、構造や必要な部品を自己判断せず、次の記事も参考にしてください。


排水フィルターは説明書を見て確認する
ドラム式など、排水フィルターを備えた機種では、フィルターの詰まりによって排水が悪くなる場合があります。
ただし、運転直後に排水フィルターを開けると、残った水が流れ出る可能性があります。
確認する際は、
- 電源を切る
- 洗濯槽内に水が残っていないか見る
- 取扱説明書の手順を確認する
- バケツやタオルなどを用意する
- 無理に部品を回さない
ことが大切です。
機種ごとの案内を確認せず、いきなりフィルターを外すのは避けましょう。
脱水だけで再開するときは取扱説明書を確認する
衣類の片寄りなどを直したら、洗濯機を再開します。
ただし、どの工程から再開するかは、停止したタイミングや機種によって異なります。
たとえば、脱水中に止まった場合は「脱水のみ」、すすぎ前の脱水で止まった場合は「すすぎ・脱水」を設定するよう案内している機種もあります。
そのため、すべての洗濯機で一律に「脱水だけを押せばよい」とは限りません。
再開前の確認
再開する前に、次を確認してください。
- 洗濯物をほぐした
- 洗濯物の量を調整した
- 洗濯できない物を取り出した
- 本体に大きなガタつきがない
- 排水ホースに明らかな折れがない
- 排水口周辺から水漏れしていない
問題がなければ、取扱説明書に従って運転を再開します。
再開後すぐに大きな振動や異音が出た場合は、再び停止してください。
何度も再スタートしない
同じ状態で何度も運転を繰り返すと、毎回すすぎへ戻る可能性があります。
特に夜間や集合住宅では、大きな振動を伴う再脱水を何度も試さない方が安心です。
一度衣類を直して再開しても改善しない場合は、排水、設置状態、エラー表示へ確認を進めましょう。
今日中に必要な衣類が濡れたままで、自宅で脱水を完了できない場合は、無理に運転を繰り返さず、コインランドリーなどへ一時的に逃がす方法もあります。
ただし、外部の乾燥機を利用しても、洗濯機側の原因が直るわけではありません。後でエラー表示や排水状態を確認してください。
何度も繰り返す・エラーが出る場合は修理を相談する
衣類をほぐし、量や種類、ガタつき、排水を確認しても改善しない場合は、洗濯機本体の点検が必要な可能性があります。

次の状態では、無理に使い続けず、メーカーや販売店へ相談しましょう。
- 毎回すすぎへ戻る
- 衣類を直しても脱水できない
- 排水されず、洗濯槽に水が残る
- 同じエラーが繰り返し表示される
- 大きな異音や振動が続く
- 洗濯物を減らしても改善しない
- 本体から水が漏れている
- 焦げたようなにおいがする
- 電源が落ちる、動作が不安定になる
使用を中止し、取扱説明書の異常時の手順に従って、メーカーや販売店へ相談してください。
エラーコードは機種ごとに確認する
メーカーや機種によって、エラーコードの内容と対処方法は異なります。
同じ「脱水できない」症状でも、表示されるコードや確認順が違う場合があります。
相談前に、次を控えておくと状況を伝えやすくなります。
- メーカー名
- 型番
- 表示されたエラーコード
- いつ止まったか
- どのような洗濯物を入れていたか
- 水が残っているか
- 異音や水漏れがあるか
- 自分で確認したこと
型番は、本体の側面やふたの内側、取扱説明書などで確認できます。
使用年数だけで故障と決めない
洗濯機が古いからといって、すすぎへ戻る原因が必ず本体故障とは限りません。
洗濯物の片寄り、排水、設置状態が原因の場合もあります。
反対に、新しい洗濯機でも、改善しないエラーや異常が続くなら点検が必要です。
使用年数だけで買い替えを決めず、症状、エラー表示、修理可否を確認してから判断しましょう。
まとめ
洗濯機が脱水できずすすぎへ戻るのは、洗濯物の片寄りを直す補正運転の場合があります。
1回だけなら、すぐ故障とは限りません。
まずは次の順番で確認します。
- 洗濯物をほぐして均等に広げる
- 多すぎる、少なすぎる場合は量を調整する
- 洗濯ネットや大物、厚手の衣類を見直す
- 防水性の物を取り出す
- 洗濯機のガタつきや傾きを見る
- 排水ホース、排水口、フィルターを確認する
- エラー表示と取扱説明書を見る
確認後に再開しても、何度もすすぎへ戻る場合は、運転を繰り返さないでください。
排水できない、異音や水漏れがある、同じエラーが続く場合は、メーカーや販売店へ相談しましょう。
参考文献・出典
- パナソニック「ドラム式洗濯機で、すすぎから進まず脱水できないとき」
- パナソニック「縦型洗濯機で、脱水中にすすぎへ戻るとき」
- 日立「脱水されない/C04が表示される場合」
- 日本電機工業会「防水性の衣料・繊維製品の洗濯・脱水に関する注意」
※洗濯機の操作方法、エラー表示、洗濯できる衣類は機種によって異なります。使用中の洗濯機の取扱説明書とメーカー公式情報を優先してください。
